セコメディック病院
療養指導師 正寶衣恵
健康診断や病院での採血結果の報告を受けたときに「血糖値が少し高いですね」と言われたことはありませんか?
血糖値が高くなった状態が続くと糖尿病と診断されます。
糖尿病の診断方法
高血糖(下記のいずれか)
- 空腹時血糖が126mg/dl以上
- 5gブドウ糖負荷試験で2時間値の血糖が200mg/dl以上
*75gブドウ糖負荷試験とは
10時間の絶食後に75g(300kcal)のブドウ糖溶液を短時間で
飲んでもらい血糖値がどのように変化するのか測定する検査
- 随時血糖値(食事時間関係なく採血した血糖値)が200mg/dl以上
〇HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)=過去1-2か月の血糖の平均値を表したものHbA1c=6.5%以上
主に上記の高血糖とHbA1cが確認された場合、糖尿病と診断されます。
平成28年度の「国民健康・栄養調査」では全国で糖尿病患者約1000万人、糖尿病予備軍も約1000万人存在するという結果が出ています。
これは成人の4人に1人は糖尿病ないしはその予備軍という状況です。
血糖値が高い人が多いということがわかりますね。
血糖値がとても高くなると非常に喉が渇いたり尿量が多くなったり、食べているのに体重が減ってきたりします。
糖尿病は基本的に自覚症状がない病気です。
気付かないまま血糖の高い状態でいると、血管にダメージを与えて合併症を引き起こしてしまいます。
合併症がひどくなると人工透析になったり失明したり、壊疽で足を切ることになったり、心筋梗塞や脳梗塞をおこしてしまいます。
糖尿病とは油断できない怖い病気なのです。
「血糖値が少し高い」と言われてしまったら糖尿病と診断される前から少しずつ生活習慣を見直すことをお勧めします。
血糖値を高くさせない生活のポイント)
- 1年に1回は必ず健康診断を受ける
血糖値が高くてもほとんどの場合自覚症状がないので1年に1回は採血して確認しましょう。
- 食事は3食、よく噛んでゆっくり食べる
食事を抜くと次の食事で血糖値が一気に高くなることがあります。
ゆっくり食べることで血糖値の急激な上昇が抑えられます。
血糖値の急激な上昇は血管に悪影響を及ぼします。
- 食事は野菜→副食(おかず)→主食(ごはん)の順に食べる 血糖値は主食である糖質で上がります。
野菜の食物繊維は血糖値の急上昇を抑えてくれます。
- 間食は朝食か昼食の食後にデザートとして食べる
食事と食事の間に間食をすると次の食事までに血糖値が下がりません。
夕食後は活動しないことが多いので高血糖を招きます。
間食は朝か昼の食後に適量にして、次の食事までに血糖値を下げることが大切です。
- 甘い飲み物は飲まない
甘い飲み物は腸ですぐに吸収され血糖値を急激に高くするので、できるだけ避けましょう。
- 夕食は就寝2時間前に済ます
夕食後すぐ寝てしまうと、血糖値が高くなる時間に体を動かさなくなくなるため血糖値が高くなります。
- 飲酒量は1日1合まで、週2日の休肝日を設ける
厚生労働省の指針、1日のアルコール摂取量の目安を参考にしてみてください。
ビールは中瓶1本(500ml)、日本酒は1合(180ml)、焼酎0.6合(約110ml)、ウイスキーはダブルで1杯(60ml)、缶酎ハイ1.5缶 (約520ml)
- 減量するまたは標準体重にする
標準体重の算出方法=身長(m)×身長(m)×22
例:身長165㎝の人の標準体重=1.65×1.65×22=59.8㎏
減量は一か月に1-2㎏にしてください。
体重計に乗る習慣をつけましょう。
- 減塩する
塩分の摂り過ぎは高血圧を招き、血管への負担を増加させます。
自宅での血圧測定を始めましょう。
- 禁煙する
喫煙は血管への負担を増加させるとともに、多くの病気と関係していることがわかっているので是非禁煙をお勧めします。
- よく体を動かす・運動習慣をつける
食後1~2時間の運動は血糖値を下げるにはとても有効です。
買い物へ行く・家事をする・TVをみながらストレッチするなども有効です
すでにやっていること、ありましたか?
いくつできそうなことがありましたか?
1つずつでも今からできることを是非始めてください。
いつまでも変わらず今の生活を続けるために、皆さん自身で体を管理し守っていただけたらと思います。
血糖値が気になる方は、ぜひ一度来院して調べることをお勧めします。