セコメディック病院
泌尿器科部長/湯本久雄(ゆもと・ひさお)
健康な状態では体内で余分な水分は尿として捨てられています。この量がほぼ一定に保たれている状態が理想的です。そのため、一生懸命水分を取るとその分、尿量が増えトイレの回数が増えることになります。一般的には健康成人の必要な水分は800~1,600ml/日くらいが理想です。
泌尿器科の診療をしていると、重要な症状として「頻尿」があり原因の一つに多尿があります。
一般的な排尿は1回あたり150~200ml以上で、6~8回/日といわれています。それ以上になると頻尿と言うわけではなく、我慢できない・我慢するのがきついという状況で、生活する上で不便を生じる、自分自身で排尿回数が多いと感じる場合に「頻尿」となります。
日中であればトイレに行く回数が多くともさほど不便は感じなくても、寝ている間に何回も行くのはつらいものです。1日に排出される総尿量のうち1/3以上が夜間(眠りについてから朝起きるまでの間)に排出する状態で、加齢とともに多くなります。眠りについてから最初に目覚めるまでが3時間未満で睡眠が浅いと、夜間尿量が増えやすい傾向があります。
夜間尿量の増減は、夕食の塩分量や眠りの深さが大きく影響を受けます。食事量が多い夕食は日本人は特に塩分摂取を減らせば夜間の尿量が減ります。厳格に守らなければならないということではありませんが工夫して気を付けた方がいいでしょう。
※内容は2024年8月時点のものです。