CTは様々な角度からX線をあて、結果をコンピュータで解析することで断層写真をつくります。撮影時間は短く、脳領域だけであれば30秒程度ですみます。撮影時間が短いので体の動きの影響が少ないです。出血や骨、石灰化の描出に優れます。
しかし被ばくの問題があること、血管を見るのには造影剤注射が必要なこと、また脳梗塞発症早期は検出しづらいです。脳内に金属(動脈瘤クリップ、プラチナコイル等)あれば、画像が歪むことがあります。
MRI検査は、強力な磁力と電波の力を利用して断層写真をつくります。被ばくはしません。CTよりも撮影時間は長く、脳領域では20分程度です。様々な撮像法があり、特に脳梗塞急性期の検出は鋭敏です。しかし撮影時間が長く、体動に弱いです。体内磁性体があると撮影が困難です。歯科治療によりインプラントのある方は、画像が歪むことがあります。心臓ペースメーカー埋め込まれている方は、古いものはMRI撮影できません。新しいものは撮影可能な場合がありますが、誤作動しないように厳重いチェックしながら行います(通常の予約枠ではできません)。動脈瘤クリップは新しいものは可能ですが、古いものは材質によって撮影できないものがあります。
CTは撮影法としては1種類だけですが、MRIは新しい脳梗塞を検出するもの、古い脳梗塞を検出するもの、古い脳出血を検出するもの、血管を見るもの等、たくさんの撮影法があります。病気によって撮影法を選択しいくつかの撮影を行っています。その分撮影時間が長いです。
脳領域では、外傷や脳内出血、くも膜下出血を疑うときはCTを優先、脳梗塞を疑う時はMRIを優先して撮影することが多いです。
CT | MRI | |
---|---|---|
被ばく | あり | なし |
体内金属 |
撮影可 ただし画像が歪むことあり |
撮影不可なことあり |
撮影時間 | 短い | 長い |
体動 | 影響少ない | 影響大きい |
利点 | 出血の疑いや、骨の状態を調べられる。 | 様々な撮影法あり、特に脳梗塞急性期は得意。造影剤なしで血管がみれる。 |
欠点 |
脳梗塞急性期は苦手 血管を見るのに造影剤必要 |
くも膜下出血は苦手 |