普段食べているものが実はお薬の効き方に影響があることをご存じですか?今回はそんな食べ合わせについてわかりやすくご紹介します。
セコメディック病院
薬剤師 西須 永実理・循環器科 菅野 公彦
「カルシウム拮抗薬:〇〇ジピン」という高血圧の薬があります。
「アムロジピン」や「ニフェジピン」などの高血圧の薬(カルシウム拮抗薬)を飲んでいる方は、グレープフルーツやジュースには注意が必要です。
薬は、体の中の化学反応により、体から排泄されます。その過程を邪魔してしまうのが、グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン類」です。排泄が邪魔されると、薬が体に蓄積します。そうすると、薬の効果が強く出て「低血圧」を起こします。
柑橘類には、「フラノクマリン類」を含むものと含まないものがあります。
避けた方がいいもの | フラノクマリン類あり ダイダイ(ママレードに含まれることがある)、文旦、はっさく、グレープフルーツ、スウィーティー |
---|---|
食べても大丈夫なもの | フラノクマリン類なし ウンシュウミカン、バレンシアオレンジ、レモン、カボス |
血液をサラサラにする薬を飲んでいると、納豆を食べてはいけないと思っている方がいますが、それは勘違いです。納豆を控える必要があるのは「ワーファリン」という薬で、それ以外は問題ありません。血液をサラサラにする薬は大きく分けて2種類あります。
①抗凝固薬(血を固まりにくくする)
納豆× | ワーファリン(後発品:ワルファリン) |
---|---|
納豆〇 |
直接経口抗凝固薬 |
納豆〇 |
・プラビックス(後発品:クロピドグレル) |
---|
実は納豆は「ビタミンK」を多く含みます。血が固まるためにはビタミンKが必要です。ワーファリンはビタミンKの働きを邪魔することで血を固まりにくくします。つまり、ビタミンKをたくさん摂取してしまうと、ワーファリンの効果が弱くなってしまいます。
「ビタミンK」を多く含む食べ物は、納豆以外にもクロレラ・青汁(原料となるケール、大麦若葉、モロヘイヤに多く含まれます)があります。ワーファリンを飲んでいる場合は、摂取しないようにしましょう。
また、「これは食べてもいいのかな?」と思ったら、お気軽に主治医や薬剤師にご相談ください。